AKIU秋保
仙台の奥座敷として名高い「秋保」は、仙台市内から車で30分ほどの場所に位置する、自然豊かな温泉郷で、宮城県の鳴子温泉、福島県の飯坂温泉とともに「奥州三大名湯」のひとつとして数えられています。
秋保には温泉をはじめ、こけしなどの工房、地元食材を用いたお料理を提供する飲食店、カフェ、ワイナリーなどがあります。近年は移住者も増え、彼らを中心に新しい事業、産業が振興しています。
古き良き伝統を守りながらも、改良して発展させていく。そんなクリエイティブな人が集まる秋保は、いま注目の集まるエリアになっています。
Key Personテロワージュを担う人々
食材王国・宮城で、ワインが紡ぐ
美味なるストーリー。
自然豊かな名湯の地。
開湯1500余年、伊達家の歴代藩主も愛した仙台の奥座敷・秋保温泉。周囲には日本三名瀑・秋保大滝や、秋には真っ赤な紅葉に染まる名取川の渓谷など、豊かな自然が生み出す名所がそろいます。
また近頃は、秋保の風土が育んだ絶景や美味、人々の交流などを五感で楽しむテロワージュも人気です。その中心施設の一つが「秋保ワイナリー」。「温泉街のほぼ真ん中にあり、県内外からたくさんの方が訪れてくれます」と話すのは、テロワージュという言葉の発案者であり、2015年12月にワイナリーを立ち上げた毛利親房さんです。
株式会社仙台秋保醸造所 代表取締役 毛利 親房氏
ワイナリー空白県だった宮城で、
2015年秋保ワイナリーをオープン。
県内のワイン造りを牽引する。
宮城の魅力をつなぐ。
「秋保ワイナリー」のコンセプトは、人・地域・文化・産業をつなぎ、育むこと。建築の設計畑を歩んでいた毛利さんが震災後に復興提案を依頼され、被災した漁師や農家と話したことがきっかけで、ワインによる地域活性化というアイデアが生まれました。「ワインは食との結びつきが強く、生産者の方はもちろん、工芸やアートなど、地域の魅力をつなぐ力があり、集客も期待できます」。
その後、人の縁もあって出会った現在の敷地は、ぶどうの栽培に恵まれた環境でした。「南北を山に挟まれているため、東西に吹き抜ける風が湿気を飛ばしてくれます。また日当たりもよく、土の水はけも良好でした。さらに『秋保石』と呼ばれる凝灰岩を含んだ土壌は、ミネラルを多く含んでおり、ここでしか造れないワインが出来上がります」。毛利さんは2haに及ぶぶどう畑をボランティアの方々と開墾し、試行錯誤を重ねながらワイン造りを行ってきました。
秋保ワイナリーで栽培されたメルローのみを使用した「秋保メルロー2019」など、個性豊かな銘柄がそろう。
可能性は無限大。
近年、アジア最大規模のワイン審査会で受賞するなど、評価を高めている秋保ワイナリーのワインやシードル。シードルのりんごは100%宮城産。これらを「ぜひ、宮城の食材と現地で味わってほしい」と語ります。
「海鮮をはじめ、お肉や野菜など、宮城の食材はどれも絶品です。赤ワインはしめ鯖、シードルはマグロのトロやホルモンによく合うなど意外な組み合わせも山ほどあり、マリアージュには無限の可能性があると思っています」。今後はキッチンカーでの産地巡りなどを計画している毛利さん、新たなテロワージュへの挑戦は続きます。
- ワイン塩でいただく老舗豆腐店のざる豆腐土鍋蒸し
- 宮城県産の牡蠣の低温調理オイスターパテとバゲット
- 森林鶏と冬野菜のグリル
- リンゴのデザート
株式会社仙台秋保醸造所(秋保ワイナリー)
〒982-0241宮城県仙台市太白区秋保町湯元枇杷原西6
震災以降、宮城県初のワイナリーとして2015年オープン。ワイナリーに関わる人の育成を積極的に行っている。
Partnersパートナーズ(連携協力店)
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アキウ舎
〒982-0241 宮城県仙台市太白区秋保町湯元字除9-4築160年の古民家を改修したカフェレストラン。